千代菊株式会社

-長良川の伏流水-
千代菊は豊富な水量を誇る長良川の清冽な伏流水で仕込まれています。
千代菊は、木曽川と長良川に挟まれた羽島市にあります。この地域では、比較的浅い井戸の場合は木曽川水系の水、そして地下１００m以上になると長良川水系の水、さらに２００m以上掘り下げると揖斐川水系の水となると言われています。

千代菊の酒造用水は、地下１２８mから汲み上げる清流長良川の伏流水です。カルシュウムなど、無機質を適度に含んだ清らかなこの名水が、千代菊ならではのまろやかさを生み出しています。
毎年醸造用水の検査をしていますが、この水は「軟水」でまったく「無菌」のお水です。ですから、醗酵のスピードはゆっくりでもろみ日数は長くなりますが、酸度が低く口当たりがソフトで上品な味わいのお酒になります。

-気候-
夏は高温多湿で蒸し暑く、全国でも有数の酷暑地帯でも知られています。
冬は乾燥したカラッとした晴天が続きます。しかし、「伊吹おろし」と呼ばれるほど、冷たい強い風が濃尾平野を吹き荒れ、晴れた日は多くとも、寒い日が続きます。この寒い冬の気候が酒造りにも活かされています。

-原料米-
濃尾平野は岐阜県南西部から、愛知県北西部にかけて広がり、いわゆる美濃から尾張までカバーする日本有数の平野でもあります。
木曽三川である、木曽川、長良川、揖斐川により形成された沖積平野として土壌は大変肥沃であり、稲の栽培や作物には大変恵まれた環境にあります。
昔から、「清酒は米と水」と言われるように、水と共に米の良し悪しは、お酒の良し悪しに直接大きな影響を与えます。ですから、良い清酒を造るためには、酒造りに適した良い原料米を使用しなければいけません。
そのため千代菊で使用する原料米の多くは、直接農家の方々や全農岐阜県本部・JAさんと話し合い、千代菊の酒造りのためのお米を栽培していただいているものです。地域に根ざし、栽培から米造りにも参加することにより、一貫した品質管理が可能とります。

「千代菊は自然農法による米造りも推進しています。体に優しいお酒造りを目指しています」
アイガモ農法 千代菊ではアイガモ農法を取り入れた、お米も原料として使っています。
自然農法は戦前から近畿地方を中心に、アヒルによる水田除草など、行われておりました。近年、自然農法、有機野菜や米造りが見直され、現在のようなアイガモ農法が再び脚光を浴びております。
「原料米」は酒の品質を決める大きな要素となります。ですから、原料米にはこだわりを持っています。目標とする製品の品質を考えて「原料米」の選択をしています。最高級の酒造好適米「山田錦」はその産地（特A地区・A地区）と等級（特上・特等）にこだわります。JAS有機認定米は、産地に赴き直接農家の皆さんと協議し、契約栽培をしていただいております。現在は、契約栽培で入手している原料米が半分近くになりました。

-造り分け-
千代菊の酒造りの特徴の一つに大造りと小造りの造り分けもあります。
小造りは、洗米、酒母造り、麹造りを全てを徹底した手造りで行います。今尚、手間のかかると言われる蓋麹法での麹造りも続けております。主に、大吟醸・純米吟醸・吟醸・純米の造りはこの手造りで行います。昔ながらの千代菊伝統の酒造りを次代にもしっかり受け継いで参りたいと考えております。

大造りは、蒸米以後は出来る限り原料米に直接手を触れず、雑菌を排除して安定的な酒質の酒造りをしようという考えに基づいた酒造りです。主に、本醸造酒・普通酒はこの大造りで醸造しています。